少人数のときは、WBSの管理はエクセルでも問題ありませんが、「共有化が必要になった」「エクセルでは不便になってきた」と考えたときにWBSツールを探すのは結構大変ですよね。

今回は、無料のWBSツールを紹介します。無料で使えるものを中心に、クラウド(Webサービス)型やエクセルベースのものなどもあるので、是非自分に合ったツールを探してみて下さい。

WBSツールとは

WBSツールは、WBS(Work Breakdown Structure)を作成するときに使用すると便利なソフトウェアやアプリケーションのことです。WBSの意味は「作業を分解して構造化する」ことですが通常はWBSにスケジュール管理を含めたガントチャート型で運用する場合が多いです。

WBSツールは、その使いやすさや手軽さから、エクセルで作成するという企業もありますが、タスクの自動化やチームでの共有など、一歩進んだ使い方をしたいときには、エクセルでは機能が不十分な場合もあります。

そのため、現在はWebベースのクラウド型WBSツールを使用する企業が多くなっています。

WBSツールを使うメリット

WBSツールを使うと、以下のようなメリットがあります。

・プロジェクト全体の把握が容易になる
・進捗管理が容易になる
・リスク管理が容易になる
・チームメンバー間のコミュニケーションが円滑になる
・プロジェクトの品質が向上する

WBSツール使用のデメリット

一方で、WBSをツールには以下のようなデメリットがあります。

・作成に時間と労力がかかる
・定期的な見直しが必要
・複雑なプロジェクトの場合、管理が難しくなる

WBSツールの選び方

多くのWBSツールから、自分に合ったツールを選ぶ基準は以下のポイントを確認してください。

・使用する人数
・使用する目的
・かけられる予算

使用する人数

WBSを使用する人数が自分だけなのか、チームで使いたいのか、チームで使う場合は何人なのかといったことを検討します。

自分だけで利用するなら、ローカルPCにインストールする形のWBSが使いやすいですし、遠隔利用のチームで使うならWebサービスのツールが必須でしょう。

また、共有が必要でも、少人数で同じフロアのメンバーだけならエクセルファイルをファイルサーバーに入れておくという選択肢もありです。

使用する目的

WBSは、作業を分解することが主目的ですがスケジュールやプロジェクトを管理するガントチャートの機能を期待する場合もあります。

WBSツールには、作業の分解だけをするツール、作業の分解に加えてプロジェクトのスケジュールを管理できるツールなどさまざまな種類があるのでどのレベルの作業が必要なのかを先に決めておく必要があります。

かけられる予算

WBSツールは、機能が多く使いやすいものは有料の場合がほとんどです。少人数の場合は、無料で使用できる場合もありますが、有料のツールを使う予算があるのか、あくまで無料ツールにこだわるのかを選ぶ必要があります。

その他のポイント

その他の選ぶポイントとしては、日本語対応のツールが必要なのか、逆にチームメンバーが海外にいるため英語対応のツールが必要なのかといったことも考えられます。

また、WBSでのプロジェクト管理のほかに課題管理などのプロジェクト全般の機能が使えた方がいいのかといった選び方も考えられます。

無料WBSツール

無料で使えるWBSツールを紹介します。WBSを無料で使うためにはサーバーを用意したり、人数が限られていたりする場合があります。少人数なら無料という場合もあるので、まずは目的に合うか試してみるといいでしょう。

Redmine

https://www.easyredmine.jp/redmine-wbs-plugin

Redmineは、プロジェクト管理やチケットによって課題やタスクを管理できるオープンソースのプロジェクト管理ツールです。ブラウザで利用できるので、チームで進捗や課題の共有をすることも簡単にできます。

スケジュール管理はもちろん、WBS用のプラグインがあるのでマインドマップのように、プロジェクトの問題点をビジュアライズし、 実施予定の作業内容を表示が可能。

自分でサーバーを用意してインストールすればすべて無料で使用できます。

Planio

https://planio.farend.jp/contents/free/

Redmineは自分でサーバーを用意する必要があるのがちょっと...という場合は、環境がすでに用意されているクラウドタイプのPlanioが便利です。有料のサービスですが、1プロジェクト2ユーザーまでなら無料で利用できます。

Canva

https://www.canva.com/ja_jp/graphs/work-breakdown-structure/

WBSの作業分解図を書くためのツールとしてデザイン性に優れています。

Canvaから利用できるテンプレートを使用することで、1から作成する必要がなく工数を大幅に削減できます。シンプルなドラッグ&ドロップだけなので、複雑な操作は必要ではありません。

Lucidchart

https://www.lucidchart.com/pages/ja/examples/work-breakdown-structure-software

オンラインで利用できる図形描画ツールで1ユーザーなら無料で使用できます。

ガントチャートやスケジュール管理を構成する図がパーツとして揃っている上にテンプレートも豊富なので、作りたい作業分解図がドラッグ&ドロップで簡単に素早く作成ですます。

Time Krei

https://timekrei.tenda.co.jp/

Time Kreiは有料のオンラインプロジェクト管理ツールです。お試し版として、1ユーザー1ヶ月間は無料で使用できます。Time Kreiの機能としては、プロジェクトの期間や受注金額、プロジェクトメンバーを決め、プロジェクトの進捗管理を行います。

個別のタスクとしてWBSを用いたスケジュールの管理ができ、プロジェクトの遅れなどを一目で確認できます。また、リソース管理表を用いて個人別にリソースの空きを確認し人員を適切に配置できます。

EXCELベースのWBSツール

WBSツールといえば、まだまだエクセルを使用するといく企業も多いです。やはり、手軽で大抵の企業のパソコンに入っているという強みが大きいです。

しかし手軽な反面、エクセルではスケジュールの引き直しや、人数の変更、プロジェクト遅延に対して表を作り直したり、修正に時間がかかったりとマイナスの面もあります。

ProjectExceller日本語版(フリー版)

https://projectexceller.com/

エクセルベースのプロジェクト管理ソフトで、初心者からPMBOKに準拠したプロジェクト管理を目指すプロフェショナルまで、幅広いユーザーを想定しています。

90日間全機能が無料で期限が終了しても「フリー版」として一部の機能が使用できます。

エクセル版WBS作成ツール

https://www.mnztech.work/2019/02/wbs.html

フリーで使えるエクセル版のWBS作成ツールです。ツールバーから、1日単位のWBS、月単位のWBSの変更、表示期間のセル幅、月間表示の分割数などを調整できます。

EXCEL ガントチャート(vector)

https://www.vector.co.jp/soft/winnt/personal/se490060.html

EXCELのVBAで動作するガントチャートアプリです。WBS(タスク名や工数)を入力することで、自動でガントチャートを作成します。

機能としては、ガントチャートの描画、スケールの随時変更、イナズマ線の作成、プロジェクトカレンダ設定、休日の設定、細かいチャートの設定や色や形なども変更できます。

まとめ

今回は、WBSツールの選び方やおすすめサービスについて紹介しました。

WBSツールを選ぶ際には、

  • 使用する人数
  • 使用する目的
  • かけられる予算

を先に決めてから選ぶことで効率よく目的に合ったツールを見つけることができます。

エクセルでWBSを管理する場合には、メリットデメリットを考慮して使用すると後で失敗することが少なくなります。WBSツールは多くの種類があって選ぶのが大変ですが、是非自分のプロジェクトに合ったものを見つけてください。