会社員として研修を受ける機会は意外に多くあります。会社も単に研修を受講させるだけでなく仕事の成果として研修報告書(研修レポート)を提出させることが一般的です。

研修報告書は、研修の内容を報告することが目的ですが、報告書がしっかり書けていると上司や上役に「デキる奴だ」と認められることもあります。

このページでは、上司に評価される研修報告書の書き方やテンプレートについて紹介します。

研修報告書の書き方

研修報告書には、必ずこう書かなくてはいけないという既定のフォーマットはありません。

しかし、研修の内容を報告するための文書なので上司にきちんと把握してもらうために、日時や場所、研修(講習)の内容といった抑えておくべき基本的な項目はあります。

会社によっては研修報告書の決められた様式が指定されていることもあるので、先に確認し、会社にフォーマットが無いようなら以下のような基本の項目をまとめて提出するようにします。

  • 提出日
  • 所属と氏名
  • タイトル
  • 参加日時+曜日
  • 場所
  • 研修名
  • 講師名
  • 研修の内容
  • 所感

基本項目の解説

ビジネス文書の基本的な項目、提出日、受講者の所属と氏名、タイトルは必須の項目です。提出日や所属、氏名は正確にタイトルは、研修内容がわかるように、かつ簡潔に書く必要があります。

タイトルの例:

×:セミナーの件
〇: 「〇〇研修」受講報告書

参加日時、開催場所

研修に参加した日時+曜日+開催時間、開催場所を記載します。これらの事項は、研修受講の記録として後で見返したときにいちいち調べたり思い出したりすることがないように正確に記載しておきます。

研修名、講師名

研修名を記入することは当然として、研修のテーマがあればどんな研修だったのか文書を見ただけで判断できます。研修名を見ただけでテーマがすぐにわかるような場合はテーマは省略してもいいでしょう。

講師名も必須ではありませんが、書いておいた方が後から見直したときに誰が講師で、評価はどうだったのかということがわかるので、今後研修を受ける人の参考になります。

研修の内容

研修の内容は、最初から最後まで詳しく書く必要はありません。内容のポイントだけ抑えて箇条書きで簡潔に記した方が後から見たときにわかりやすいでしょう。

ここには報告者の感想はいりませんので、資料の目次などを参考にして研修の内容だけを書いていきます。目次をそのまま写すと長くなることがあるのでその場合は要約して短くまとめます。

所感

研修報告書で大切なのが「所感」です。受講者がこの研修で何を学んだのか、どう感じたのかということ簡潔に記していきます。ありがちな「ためになった」「参考になった」だけではビジネス文書としてよくありません。

研修といえども、あくまでビジネスなので「この研修が仕事にどう活かせるのか」「今後の活動にどう役に立つのか」ということを絡めていくことが良い報告書です。

所感の例:

・当社のシステムは他社のものと比べ効率が悪く早急な置き換えが必要だとわかった。
・研修の内容を踏まえた新たな企画を作成するアイデアがいくつか浮かんできた。次回の企画会議に間に合うように資料を作成したい。
・営業効率を高めるための当社の改善案が見つかった。次回の営業会議で情報共有し改善案の資料をまとめたい。

研修報告書の例文

実際の研修報告書の例文を紹介します。この例文はワードテンプレートでもダウンロードできます。

令和〇年〇月〇日  

営業部長 〇〇 ○○殿

営業部 山田 太郎  
○○研修受講報告書

このたび、標記の研修を受講しましたので下記のとおりご報告いたします。

1. 日時 令和〇年〇月〇日(〇) ○時~〇時
2. 場所 ○○会館 セミナールーム1
3. 研修名 「売れない時代の最新営業活動」
4. 講師名 〇〇株式会社 代表取締役 ○○ ○○氏
5. 研修の内容 主な研修内容は以下のとおり。
(1) 営業マナー講習
(2) 営業電話応対 講習
(3) 営業電話応対 実習
(4) 売れるビジネスメール 講習
(5) 売れるビジネスメール 実習
(6) 講師による総括
6. 所感
研修では、基本的な営業のマナーから電話応対、ビジネスメールの書き方を従来のやり方からトップ営業マンが行っている方法について事例を元に解説いただいた。当社の現状と当てはめて、現状の営業活動と顧客へのアプローチで改善すべき点を認識することができた。営業部全体での売上アップのために、次回の営業会議時に情報の共有を行いたい。
以上  

研修報告書の目的

社員を研修に参加させると、会社は大きなコストが発生します。

そのため研修には仕事の成果として研修報告書を提出させるのです。

研修の内容を共有する

研修報告の目的の1つは「研修に出席にしていない人に研修内容を共有する」ことです。

研修が、とても有用であった場合、参加者だけが知識や経験を報告書として提出することで、他の社員も学びを得ることが可能になります。

今後の研修参加を判断する

2つ目は、研修報告書を提出することで「研修参加の是非を判断する」ことができます。

研修の中には、慣習だからと意味のないものを繰り返していることもあります。研修の目的がスキルアップであることは明白です。

もし、参加した研修はスキルアップができない、知識を得る意味がないというものなら、研修参加を再検討します。

もっと効果の高い別の研修に変更したり、違うスキルアップ方法にするなどの対応が可能になります。

研修報告の書き方のコツ

研修報告書を作成するときには、以下のことを意識すると上手に書くことができます。

研修の目的や成果を明確にする

研修報告書で最も重要なのが、「研修の目的や成果を明確にする」ことです。

すべての研修には、目的があり、研修を通して何かを得ることができます。

そのため、研修報告書では、どのような研修であったのか、研修を通じて何を得たのか明記する必要があります。

具体的でわかりやすくを意識する

せっかく目的や成果を明確にした研修報告書を作成しても、内容がわかりにくければ良い報告書とはいえません。

わっかりやすい報告書を書くには、具体例や具体的な数字を入れて、読んだ人がイメージをつかみやすいようにすることです。

特に数字を「長い時間」→「3時間」、「売上が大幅に上がった」→「1000万円の売り上げが6000万円になった」など実際の数字を入れることで説得力が増します。

指定がなければA4用紙1枚にまとめる

内容を詳細に書くことは大切ですが、あまりにも長すぎる報告書では読む人が嫌になってしまいます。

通常の研修報告書では、A4用紙1枚を目安に簡潔にまとめることで、わかりやすい報告書にすることができます。

テンプレートを活用して、レイアウトを揃えることでA41枚にうまくまとめることができます。

研修報告書テンプレート

上記のフォーマットとポイントを抑えたテンプレートを以下からダウンロードできます。ワードで作成されているので、どの会社でも項目や内容を変えるだけで利用できるでしょう。

研修報告書のテンプレート01

研修報告書テンプレート01
研修報告書テンプレート02

研修報告書テンプレート02

その他の報告書テンプレートについては以下の記事を参考にしてください。

まとめ

研修報告書は、研修を受講してどのようなことを学んだのかという成果を報告することが目的です。会社としては、研修もビジネスの一環として業務につなげることを期待しています。

研修からどのように業務に活かせるのかを簡潔に書くことで上司から評価される報告書を書くことができます。報告書の例を参考にして良い報告書を作成してください。

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