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エクセル2013で箱ひげ図(ボックスプロット)の書き方を紹介します。ページ最下部には、今回紹介した箱ひげ図のサンプルテンプレートをダウンロードできるようにしてあります。

5個のグラフまでならデータを入力するだけで特に修正の必要はないので、箱ひげ図を作るのが面倒な人は活用してください。

作成方法を飛ばしてテンプレートだけが欲しい人はこちらです。

このような箱ひげ図を作成します。

箱ひげ図の完成図

エクセル2013での箱ひげ図の作成方法

次の手順で作成します。

STEP1 データを用意する

まずは、箱ひげ図を作成するためのデータを用意します。今回は下図のような数値的には意味のないデータ1~データ5までのサンプルデータを用意して解説します。

箱ひげ図解説用のサンプルデータ

STEP2 四分位数を計算する

このデータから四分位数を計算します。四分位数は、データを4分割したときの区切りの数値です。箱ひげ図を作成するときには、この四分位数が必要になります。

四分位の計算データ

各計算式は以下のとおりです。

最大値 データ内の最大値 エクセルの関数ではMAX(範囲)
第3四分位(75%) 75%の位置(第3四分位数)エクセルの関数ではQUARTILE.INC(範囲,3)
中央値(50%) 中央値(50%) エクセルの関数ではMEDIAN(範囲)、もしくはQUARTILE.INC(範囲,2)
第1四分位(25%) 25%の位置(第3四分位数)エクセルの関数ではQUARTILE.INC(範囲,1)
最小値 データ内の最小値 エクセルの関数ではMIN(範囲)

STEP3 グラフ用のデータを計算する

四分位数があれば、箱やひげを作成できますがエクセルでグラフにする場合にはデータを少し加工した方がグラフを作りやすくなるのでグラフを作成するためにデータを揃えます。

四分位数を計算した表の下部に作成しました。

グラフ作成用のデータ

各計算式は以下のとおりです。下端から上端へと表が作成されているのに注意してください。

上から上端にした方が見やすいのですが、そうするとグラフを作成した後に棒グラフの位置を並べ替える必要があるので、表の選択から棒グラフがそのまま使えるように作成しています。

また、各値は四分位表の上の行-下の行となっています。ただし、「ボックス下部」だけは「第1四分位(25%)」の値をそのままもってくるのを間違えないようにしてください。

ひげ下端 第1四分位(25%) - 最小値
ボックス下部 第1四分位(25%)
ボックス中央値 中央値(50%) - 第1四分位(25%)
ボックス上部 第3四分位(75%) - 中央値(50%)
ひげ上端 最大値 - 第3四分位(75%)

これでデータの準備ができました。

STEP4 積み上げ縦棒グラフを作る

エクセル2016からは箱ひげ図のグラフが選ぶだけで簡単に作れるのですが、エクセル2013以前では積み上げ縦棒グラフを変形して作成するしか方法がありません。

まずはデータから「積み上げ縦棒グラフ」を作成します。

ボックス上部、ボックス中央部、ボックス下部の値を選択した状態でメニューの挿入→2-D縦棒→積み上げ縦棒を選択します。

積み上げ縦棒を選択する

このようなグラフが作成されます。

積み上げ縦棒のグラフ

STEP5 箱を作成

積み上げグラフから余計な部分を消去します。グラフの棒の一番下の部分を右クリックし、「塗りつぶし」を「塗りつぶしなし」、「枠線」を「線なし」にします。

枠線と塗りつぶしをなしにした状態

棒グラフの一番下が見えなくなって箱のようになりました。

STEP6 ひげを作成

つぎにひげを作成します。

まずは上ひげからです。

グラフの一番上の灰色部分を選択すると、グラフ領域の右上に「+」があらわれます。その「+」をクリックすると「グラフ要素」のメニューが出るので「誤差範囲」をポイント(マウスを上にもってくる)と「▶」 の矢印があらわれるのでそれをクリックします。

その中から、一番下の「その他のオプション...」を選択します。

グラフを選択しないと「系列の選択」というダイアログが出ます。出た場合は系列3を選択してください。

書式の選択

「その他のオプション...」を選択すると、エクセルの右端に「誤差範囲の書式設定」が表示されます。

「誤差範囲の書式設定」では方向を「正方向」に、誤差範囲を「ユーザー設定」にして値の指定ボタンをクリックします。

誤差範囲の書式設定

誤差の範囲を選択するダイアログが出るので「正の誤差の値」の方にひげ上端の値をすべて選択します。サンプルのデータでみるとH9~L9までです。

誤差範囲の値を指定

これで上端のひげがつきました。

上端のひげをつけた箱ひげ図

次に下端のひげをつけます。上端のときと同じように「誤差範囲の書式設定」を表示します。

棒グラフの非表示になっているところ(先ほど枠線と塗りつぶしを「なし」にした最下部の部分)を選択し、右上にあらわれる「+」を再度クリックします。

「グラフ要素」のメニューが出るので「誤差範囲」をポイント(マウスを上にもってくる)と「▶」 の矢印があらわれるのでそれをクリックし「その他のオプション...」を選択します。

誤差範囲の書式設定を表示する手順

「誤差範囲の書式設定」が表示されるので、今度は方向を「負方向」に、誤差範囲は上端と同じく「ユーザー設定」にして値の指定ボタンをクリックします。

誤差範囲の書式設定

誤差の範囲を選択するダイアログが出るので今度は「負の誤差の値」の方にひげ下端の値をすべて選択します。サンプルのデータでみるとH12~L12までです。

下端のひげを作成する

これで上ひげと下ひげを設定できました。

上ひげと下ひげをつけたグラフ

STEP7 見栄えを整える

とりあえず箱ひげ図は完成しましたが、細かい部分を変更します。

まず、系列1、系列2,系列3のラベルが邪魔なので消去します。系列1、系列2,系列3のラベルを選択して[delete]キーを押します。

系列のラベルを選択する

次に現在1,2,3,4,5となっている横軸のラベル名を変更します。

ラベルを選択して右クリックし、メニューから「データの選択...」を選びます。

横軸のラベル名を変更

データソースの選択ダイアログがでるので「横(項目)軸ラベル」の編集ボタンを押します。

「横(項目)軸ラベル」の編集ボタン

軸ラベルの範囲を自分で設定したタイトルの場所を範囲に指定すれば変更されます。

軸ラベルの範囲を変更

グラフのタイトルはラベルを2回クリックすると編集できるようになります。

タイトルの変更

棒グラフの色や枠線については棒グラフを右クリックして「塗りつぶし」や「枠線」の色を設定してください。

これで最初に提示したサンプルの箱ひげ図が完成です!

箱ひげ図の完成図

箱ひげ図の無料エクセルテンプレート

ここまで作成した箱ひげ図のエクセルテンプレートをダウンロードできます。エクセル2013で作成していますが、xlsx形式が開けるバージョンならどれでも使用できると思います。

入力可能データ数は範囲を行全体にしているのでエクセルの行数(1,048,576行?)まで使えます。

項目数は5個になっているので、デフォルトでは5個までの箱ひげ図を作成できます。項目を追加したい場合は項目と範囲を自分で設定してください。