領収書は「いつ、誰が、誰に、いくら」支払いを行ったかを証明する書類のことです。個人で領収書を発行することは少ないですが、領収書を受け取ることは日常的に発生します。
今回は、個人で領収書を発行する場合の正しい書き方や領収書の注意点を紹介します。
領収書の書き方(個人で発行)
個人で領収書を発行する場合の書き方については以下の項目をおさえておけば問題ありません。
タイトルは「領収書」と用紙の中央に書き、他の項目よりも少し大きめに書きます。
日付は実際に金銭の支払いを行った日付を記載します。
金額欄は、わかりやすいように領収書の中央に他の項目より大きく記載します。金額を記載する場合、後から改ざんできないように数値の前後に記号を入力します。
金額の先頭に「¥」もしくは「金」を、金額の最後に「-」「円也」を記載します。また、3桁ごとに数値に「,」を入力します。その際に金額と記号の間にスペースを空けないように注意してください。
【記入例】
¥20,000-
金3,000円也
但し書き
受け取った金銭が何のサービスや商品かを記載します。但し書きに「お品代」など書く場合がありますが、どのような商品かできるだけ具体的に書くようにします。
サービスや商品を提供した相手の会社名や氏名を記入します。前後に注意しながら株式会社や有限会社なども必ず記載します。
個人事業主は、屋号(あれば)、個人名、住所、連絡先を記入します。発行者欄は、手書きでもゴム印、印刷でも構いません。個人印、屋号印を押すことが一般的です。
個人が領収書に使う印鑑
領収書には法人の場合、角印を押すことが一般的です。屋号のある個人事業主なら屋号印、個人であれば個人の認印を押印すればいいでしょう。
5万円以上なら収入印紙を貼付
個人や法人を問わず、領収書の金額が消費税抜きで5万円以上になると収入印紙を貼る必要があります。商品の金額が、ちょうど5万円でも収入印紙が必要です。
領収書に使う用紙
領収書に使う用紙に規定はありませんので、どのような用紙を使用しても問題ありません。ただ商習慣として金額に大きいものの領収書は通常よりも厚手のしっかりした用紙を使うことが多いです。
領収書のチェックポイント
誰宛に発行した領収書なのかを明記。「上様」や宛名がなくとも領収書として成立しますが、できるだけ会社名や氏名の宛先にした方が問題になりません。
領収書に記載されている日付が金銭の授受やモノの引渡しなど取引があった日付が一致していることを確認します。
記載されている金額は正しいか、3桁ごとに「,」が入っているか、金額の前に「¥」マークがあるか、金額の最後に「-」や「也」が入っているかを確認します。
個人で領収書を発行する場合は、自分の氏名、住所、個人事業主の場合は屋号、氏名と住所を領収書の発行元として記載します。当然ながら、郵便番号や住所に間違いの無いよう確認します。
個人で使える領収書テンプレート
個人限定ではありませんが、A4一枚からA4四枚といった領収書のテンプレートを以下のページで紹介しています。発行者の会社名を個人名にするだけで個人でも使えますので是非参考にしてください。
また、エクセルやワードがパソコンにインストールされていなくとも、ブラウザ上で領収書を作成できます。以下のツールで領収書を作成してみてください。
手書きで領収書を作成する場合
個人事業主の商店などで領収書を頻繁に発行する必要がある場合は、手書きの複写式の領収書が便利です。
複写式の領収書は、近所の文房具店の他、Amazonなどでも販売しています。
ただし手書きの場合は、自分の個人名、住所、電話番号などを毎回記載するのが手間なので、あらかじめ屋号や氏名、住所がスタンプできるゴム印を使うと発行の手間が省けます。
手書きの領収書の注意点
手書きでも領収書に記載する項目は同じです。金額に「¥」マークや3桁ごとの「,」、金額の最後に「-」や「也」を忘れないように注意してください。
個人用の領収書Q&A
領収書は、よくある疑問や誤解されている使い方など意外に知らないことも多くあります。以下では、よく聞かれる領収書の疑問について紹介します。
領収書は手書きじゃないとダメ?
レシートがある場合は、手書きの領収書を別にもらう必要はありません。
お店で領収書の発行をお願いすると通常は、手書きで領収書を書いてくれます。それゆえ、領収書は手書きで発行するのが正しいと思いがちですが、レシートでも立派に領収書として使用できます。
レシートでも日付、店名、品名、金額といった領収書に必要な項目が記載されていることが条件です。誰が発行したかわからないような金額だけの領収書は税務調査などで否認されてしまいます。
ただし、会社の規定で必ず領収書が必要というところもあるので、その場合は領収書をもらう必要があります。
領収書に印鑑は必要?
領収書に発行者名と住所が明記されていれば印鑑は不要です。
これはレシートが領収書の代わりになることからも明らかで、通常お店やタクシーでもらうレシートには印鑑は押されていません。領収書に発行者名と住所があれば、どこの誰が発行した領収書かがわかるので印鑑はなくともよいのです。
個人と法人の領収書の違い
個人と法人の領収書に書式や記載する項目の違いはありません。
あえて異なる点といえば、発行者名を法人が会社名や店舗名なのに対し、個人では個人の氏名であることです。個人であっても所在地(住所)の記載は必要です。
メモ帳に手書きの領収書でも有効?
領収書には法律で規定されたフォーマットというものがありません。
領収書として必要な項目さえ記載してあれば、市販の領収書はもちろん、自分でエクセルやワードで作成、極端な話ですがチラシの裏を一部破って書いても有効です。
だからといって、多くの領収書がそのような状態の領主書だと税務調査で悪印象を与えることになります。余計な詮索をされないためにも、市販の領収書やネットで公開されているテンプレートなどある程度は書式が決まった領収書を使うようにした方がいいでしょう。
まとめ
個人で発行する領収書は、法人やお店などで発行する領収書と大きな違いはありません。
発行者名を個人名に住所を自分の住所にして日付や金額などの必要な項目を記載すれば、税務署にも認められる領収書となります。
領収書の控えが必要な場合、コクヨなどが販売している市販のカーボン紙入りの領収書で手書きするのが簡単です。数回だけ領収書を発行する場合は、テンプレートを利用して印刷してもいいでしょう。